コラム
2012.02.28
「白髪染めでお願いします。」 お客様からオーダーされる機会の多い施術ではあるのですが、ちょっとした誤解があるのも事実。 市販されているカラー剤の影響が大きいのかもしれませんが、そもそも「白髪染めカラー剤」という薬剤があるわけではありません。正確に言うと、白髪が染まるように調合したカラー剤で施術をさせて頂いているのです。 ですから単純に、白髪を染めるヘアカラーだから黒くなる・・・というようなことはないというわけです。
「知っておきたい!染めるための方法」 よくカラーリングっていう言葉でひとくくりにされてしまいますが、白髪を染めるための方法は様々、またそれぞれに一長一短です。 一般に皆様がご存じなのは色味を持った1剤と毛髪を明るくするための2剤とを混合させて作る「アルカリヘアカラー」。ichie にお越しいただくお客様もほとんどの方がこのヘアカラーの手法をとらせて頂いています。 こちらは、明るさのバリエーションも一定の範囲で楽しめるうえに、根元生え際から染着させることができるので、結果的に長い期間ヘアカラースタイルを楽しむことができます。 ただその一方で、髪本来の弱酸性とは異なるPHを持つアルカリ成分が含まれている影響で、髪のダメージや乾燥につながりやすいというデメリットもあります。 ま たその点で、髪の毛の負担を抑える目的で挙げられるカラーリングの手法に「ヘアマニキュア」というものがあります。こちらは、酸性カラーと呼ばれることも ある、髪本来の弱酸性に近いヘアカラーとなっていて、髪のダメージや乾燥の心配がアルカリヘアカラーのそれよりも少なくて済みます。 ただやはりその一方で、髪そのものの明るさを上げることができないという点、また頭皮に染着してしまうと取り除くことが難しくなってしまうため、生え際ギリギリからの塗布となってしまうため、あまり長い期間楽しむことができないという点で、デメリットがあります。 ご自身の髪の状態やご希望に合わせた技術を選ばれることをお勧めします。
「白髪染めをしてしまうとこれが難しい!」 髪の毛の中で最も染まりにくいのが白髪といわれています。 ヘアマニキュアの場合などは特に顕著ですが、アルカリカラーにおいても、その染まりにくい白髪に対してきっちり染着するお薬を調合して塗布していきますので、1度深く入れてしまったヘアカラーを後から明るくしていくのは難しい、そんなケースが出てきます。 よくあるケースですが、ご自身でホームカラーなどを通じて、「思ったよりも暗く仕上がってしまいました・・・何とか明るくならないでしょうか」。 ・・・強い薬剤(ブリーチ剤など)を用いる施術を除いてはなかなか実現の難しいご要望です(><、)。
「白髪染めなう(笑)。」
「白髪=染まりにくい髪」であると同時に「これ以上に明るい髪」というのもまた、ないわけです。
そこで発想を変えて、白髪の明るさに負けない明るさを全体的にのせていってはどうだろうか、これは最近多くみられる手法、ご提案のひとつです。 少し極端ですが、芸能人の例で挙げれば、北野武さんや所ジョージさんのように、全体にブリーチをかけて明るい髪色にしてしまうことで、白髪は、染まりこそしませんが、気にならない仕上がりとなります。 それをもう少しナチュラルなデザインに落とし込む上では、ハイライト(メッシュという言い方の方が一般的でしょうか)という手法も見逃せません。ご存じのとおり、白髪は均一に発毛してくるわけではありません。 であれば、そのムラ感を、ヘアカラーでも意図的に演出していくことで「地毛+白髪+ハイライト」の3色をブレンドすることができ、やはり結果的には白髪は気になりにくい仕上がりとなります。 いずれにしても、「隠す、染める」といった手法だけにとらわれるのではなく、柔軟な発想でカラーデザインを楽しんでいく、そんなスタンスで白髪・・・もとい大人の髪(笑)と付き合っていけるといいですよね。
以上、最近大人の髪が生え始めてきたichie 伊藤でした(^^)。
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