イチエの毎日。 2018.03.11

手前の事情でここ数年遠ざかっていた、初めましてのお客様を担当する機会。

それと同じような手前の事情で、ここ２ヶ月は、またその機会に恵まれています。

毎々ご愛顧いただいている顧客様との時間とはまた違う、ほどよい緊張感を確かめつつ。

初めてお越しいただくお客様に必ず伺うようにしていること。

「今日はどういう経緯から、イチエを選んでくださったんですか。」

「もう随分前の話になるんですけど。」

「７年前。

道往く歩行者の方たちのために、閉店されているお店の玄関にキャンディーを提げて出していらっしゃいましたよね？　なんだか温かい心遣いのあるヘアサロンがあるんだなと思って、いつか行ってみようとずーっと思ってて。」

まだオープンして２年も経たない折に起きた、あの、東日本大震災。

私もまた人生で初めて身を以て経験した大災害。

本当はなんにもできないことがわかっていたその分だけ、なにかしなくちゃいけない気持ちだけは三人前に、あの日舞浜地区で夜を明かさなければいけなかった方たち（＝道往く歩行者の方たち）にと思って提げたものだったと、思います。

うん、、、

「だったと思います。」ってくらいに、時間の流れの速さを感じます。

生きている時間が長くなるほどに忘れられない日付というものは増えてくるものですが、間違いなくこの数字の並びもまたその一つ。

今なお解消されない問題は根深く、私が自分の地元を大切に思う気持ちから想像するだけでも、岩手に、宮城に、福島に故郷を持つ人たちの気持ちいかばかりかと思います。

７年が過ぎてなお、私はといえば私のことばかりですが。

生かされている今という時間を大切に、少しでも自分の周囲の人たちのために役に立てる自分でいられるよう。

また、誓いを確かめて。

黙祷。

hair design space i.chi.e（ヘアデザインスペースイチエ）
オーナースタイリスト　伊藤　護

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７年前のキャンディー。

Catetory