イチエの毎日。
2018.09.02
私伊藤、今年は(今年も? 方々学び行脚に出かけておりまして。
現在もなお受講中なんですが、こちら。
https://www.thelogyschool.com/
Logy school of hair design という美容師のためのデザインスクール。
今夏はこちらの門を叩いた次第なのでございます。
美容師の為のデザインスクールというコンセプトのもと、ヘアデザイナーとしての学びを得るべくお出かけしているのですが、1番の決め手は、与えられた課題に対して、「自分でリサーチをし、自分の手を動かす。」というワーク主体のスタイル。
7月の入校から早速、最初の課題【Stylisy of your company. -” 無印良品”という会社にインスピレーションを得たヘアデザインを作ってください。】っていうのを与えられていて、先日、作品発表、フィードバックをいただいてきたところだったりなんだりなのです。
今日のブログは、いつものコラムな趣旨から少し飛躍して、その納品した作品をご紹介しつつ。
伊藤的夏休みの宿題よろしく、美容師のデザインに向かって行くプロセス、その一端を知っていただけたら。
そんな趣旨です。 以下原文そのままお見舞いしてみますのでw、もし寄せていただける関心ありましたら。
良品計画(無印良品) 御中
先月ご依頼いただきました(*あくまで架空ですからねw)「Stylist of your company -無印良品にインスピレーションを得たヘアデザイン」につきまして、以下、私伊藤のデザインリサーチならびに最終作品をご提案させていただきます。
【考察のプロセス】
まず、着手しましたのは御社が誕生した経緯とこれまでの沿革についての調査です。
ふだん何気なく御社の商品を手に取っていたわたしにとっては、ブランドの立ち上げが1980年であったということ(案外最近なんだという印象を持ちました。)、またその設立当時のコンセプトに、当時の大量消費社会に対するアンチテーゼが込められていたという点がとても印象的でした。
次に注目したのは御社を象徴する、このロゴ。
グラフィックの側面から御社を表現したデザイナーがどのような方であったのかを研究させていただきました。
その理由は弊店然り、店名ならびにそのロゴデザインで示すものにこそそのブランドが訴えたい主張がひそむものと考えたからです。
行き当たりましたのは、田中一光 氏。
氏の残された作品はもちろん、御社のプロジェクトにデザイナーとして携わられている中で語られている言葉、そこに表現されているデザインに対してのスタンス。
御社にインスピレーションを得たヘアデザインを考察する上で反映させたい要素となりました。
最後に、今回のヘアデザインを考察する上で、御社30年強の歩みをふまえることと同じく、MUJI LABO をはじめ近年展開されている様々な事業を通して表現される「これからの良品計画」。
無印良品の未来へのスタンスを反映できるヘアデザインを提案したいと考えました。
熾烈なPB 商品開発競争、バブル景気前夜の大量消費社会の時代へのアンチテーゼとして生まれた良品計画が、今現代に投げかけるアンチテーゼは、何に対して向けられるべきか。その点を考慮に入れてヘアデザインに落とし込んでいきました。
【制作のプロセス】
直感的にインスピレーションを得たデッサンがこちらになります。
直線と曲線(丸み)。
これまでにリリースされている様々なプロダクトを見直して、見いだした一つの共通項が「角がない」ということ。
ヘアデザインで表現するにあたり、切り返しの角を強く感じさせないフォルムを作りたいと考えました。
ひとの頭骨形に本来直線的な要素はなく、ヘアデザインにおいても曲線(丸み)のなかに直線をもたせることでうまれる緊張感や潔さがあります。その点に配慮しながら自然体の中に潜む主張、バランスをとったヘアカットをしていこうと考えました。
カット技法については、自然体という御社のスタンスに配慮をし、フリーハンド(手で髪を持たずにコームで梳かしながら切る)でヘアカットをしていきました。美容師視点からのベーシックなヘアスタイルの究極を突き詰めるというよりは、「これでいい。」ご利用者様のマインドに重きを置いた技法を優先しました。
また、ボーダーレス(ユニセックス)というキーワードにインスピレーションを得て、可視不可視の要素をデザインに取りいれたいと考えました。それは同時にデジタル化(≒可視化)が進む現代へのアンチテーゼという設定と捉えても無理のないものだろうと考えました。
採用したのはヘアカラー(インナーカラー)技術。
黒髪ではない部分、露出する部分をあえて作り、これまでの御社に対する印象に挑戦していく姿勢を不可視(モノクローム)の範囲で表現しました。
装飾的要素を好まない御社のスタンスからつくるヘアデザインに、ヘアカラーという要素が必要なのかどうかについては賛否両論分かれるところかとは思いますが、その両論分かれる要素にこそ挑んで提案をしていくスタンスというのは、MUJI LABO に表される御社の意思にふさわしいものと考えました。
【最終作品】
タイトル/MUJI INVISIBLE
直線を感じさせる要素と、曲線を感じさせる要素を、角を持たせずに表現したシンプルなカットフォルム。
インナーカラーという手法を使って、やわらかいフォルムからは感じさせない、アンチテーゼ(確たる主張)の部分を表現。モノクロームで表現することで見るものによっての解釈の自由度を残しつつ、水平ではなく前下がりに引いた境界と、ヘアカラーを施されたスタイルを提示することで、これまでの無印良品が築き上げてきたイメージに対しての挑戦する姿勢を表現しました。
以上です。
てへ。
来るかな、良品計画からのオファー。←
なんつってなんつってですが。
なかなかこれまでのキャリアの中でも取り組むことのなかったデザインアプローチ。
課題を与えられて28日間での納品と相成りました次第です(無印良品大好き美容師いけると思う
インストラクターからのご指摘にもあったのですが、とかく私たちのサロンワークは「瞬発性」の勝負。
お客様からいただいたイメージ、リクエストにどれだけ即時でアイデアを出して、仕上げられるかという指標で評価をいただきます。まさか28日間もお時間をいただくことはできません。
それでもあえて、そういうスパンを設けてリサーチをして試行錯誤を繰り返しながらデザインを完成させて行く過程が増やしてくれる引き出し。今回のようなヘアスタイルへの再評価(このヘアスタイルってこういう意味づけもできるんだなーっていう)。
人が瞬発的に出す表現というのは、思考、習慣の蓄積から形成されたものに限るんだそうです(確かにそんな気がする。
であるなら、実は思考、習慣のブラッシュアップこそ、自分の美容師としてのデザインの幅を広げてくれるのかな、と。
先日また新たな課題をいただいて、鋭意制作中です(時間ないーーーーw。
もしこっち関係、関心寄せてくださるお客様あったらまたサロンでおしゃべりさせていただきますね。
ではでは、制作に戻りますw
あーでぃおーーーす。
hair design space i.chi.e(ヘアデザインスペースイチエ)
オーナースタイリスト 伊藤 護
Website|http://ichie.net
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