【伊藤の履歴書】vol.02 中途半端な、憧れ。

代表伊藤の履歴書 2013.11.29

中学を卒業するあたりまでその美容師さんとのお付き合いは続き、人生で初めてのパーマをかけてもらったり、営業後、一緒にカラオケにも連れて行ってもらったり。

 

 

 

ひとりっ子で育ってきた私にとっては、姉のようにも感じられてしまうくらい。

 

 

そんな距離感で接してくださる素敵な方でした。

 

 

今でも本当にいい思い出、私が美容師になっていくストーリーの原体験になる出会いだったなと思っています。

 

 

◇「ヒーローになりたい」

 

 

その後も母の紹介を経たり、自分で美容室を探してみたりしながらいろいろな美容師さんとの出会いが続いていくわけですが、やはりどの美容師さんに会っても変わらないのは、

 

 

「カッコいい、、、。」

 

 

憧れの気持ちがいつもあったように思います。

 

 

「会いにいけるアイドル」なんて言葉もありますが、まさに当時の私にとっては美容師さんたちこそ、その街の芸能人くらいの感覚でサロンでの時間、美容師さんとの時間を楽しんでいました。

 

 

少々脱線してしまいますが、幼少期、私はヒーロー戦隊ものの番組を観るのがとても好きな子どもでした。

 

 

 

 

 

これもまたご存知の方もあるかと思いますが、中学に進んだ後、音楽に関心を持ち始め、出会ったX JAPAN という音楽性だけでなく、ヴィジュアルもまた刺激的なバンド。視覚的にカッコいい、ヒーローな感じ、がとても大切な子どもだったんだと思います。

 

 

いずれにしても、美容師という職業を、それら自分が憧れる対象のなかに並べて考えるようになっていったルーツはこの辺りにあって、意識のなかに置き始めたのは、やはり中学生くらいの頃だったんだろうと思います。

 

 

 

◇「おれ、美容師になる。」

 

 

自分から初めてその言葉を口にしたのも、実は中学卒業を控えた頃のことでした。

 

 

 

 

 

当時、希望していた高校への進学が叶わず、反抗期も手伝う自暴自棄。

 

 

今で言うところの、「中二病」でしょうか、些細な親子の口喧嘩から出てきてしまった言葉だったのが少し恥ずかしい思い出です。

 

 

ずいぶんと失礼な話ですが当時は、「美容師には学歴は必要ないんだし。」

 

 

いわゆる6-3-3-4 で敷かれる平均的な優等生レールからドロップアウトしたら「美容師だってあるんだし」みたいな捉え方をしていた節がありました。

 

 

その調子は高校へ進学した後も続き、別に学校中退したって「美容師やればいいんだし」なんてうそぶきながらどこか自分にとっての最後の切り札にしながら、それでも抱いている憧れをどこかで心の支えにしながら。

 

 

そんな感じで美容師という職業を意識していた時期が続いていきました。

 

 

そんなこっそり突っ張った虚勢、中途半端な憧れ。

 

 

結局のところ、はみ出し切ってしまう勇気もなかった当時の私は、周囲と歩調を合わせるように、ごくごく普通に大学への進学を決めて、ごくごく普通のキャンパスライフを送って行くのでした。

 

 

(つづく)