イチエの毎日。
2021.10.27
次第に初秋の香り深まる10月最後の火曜日。
おそらくほとんどの方にとってはなんてことのない平日に、深い感謝とともにまた決意をあらためる美容師がありました。
10月26日。
私がスタイリストとして初めてお客様を担当した日。
もう19年も前の話になります。
今日は少し昔話も交えながら、自分の現在位置を確かめるような駄文をしたためます。
お時間の許す方は、もしよかったらお付き合いください。
◇
私が美容師の世界に飛び込んだのは、
2001年4月のこと。
多くが美容師免許とともに、
美容専門学校を卒業してから飛び込む世界に
美容師免許も持たず、
その時点では専門学校(通信科)に通う
「見習い(学生)」として、
そのキャリアをスタートさせました。
◇「伊藤、ここにいます!」
当時任せてもらえていた仕事は、
、、、という仕事などひとつもなく。
自分からもらいにいかなければ、仕事のない毎日。
塗り終わったヘアカラーのカップとハケを引き受けて、
バックルームに下がる。
使い終わったパーマのロッドとペーパーを引き受けて、
バックルームに下がる。
仕上げを終えた先輩美容師から使用済みのカットクロス(ケープ)を引き受けて、
「バックルームに下がる。」
「私に、用事はありませんか。」
気づけばその場足踏みみたいになる毎日。
バックルームに閉じ込められていたくなくて、
仕事をもらいにフロアに出ていく毎日でした。
◇「信用が、欲しい。」
見つけて、もらいにいくだけの私と、
「〇〇さん、ちょっとシャンプーお願い。」
先輩美容師から頼まれている、あの人。
任せてもらっているあの人にあって、私にないもの。
・いて欲しい時に、いつもそこにいる。
・元気、笑顔、素直。
・練習熱心。
お客様に認められるよりも、
先輩や仲間から信用される私になりたい毎日が続いていきました。
◇「手にハサミを持ち、手に汗を握る。」
そんな私が初めてスタイリストとしてお客様を担当させてもらったのが、2002年10月26日のこと。
その日にオープンを迎える新しいお店、という恵まれた環境でデビューの機会をいただきました。
とはいえ、
先輩や仲間から信用される私になりたい毎日を重ねてきただけの美容師。
担当する
「お客様から」
「私にだけ」
注がれる期待を前にして、
まるで舞台袖から思いっきり背中を押されて、
大観衆でうまった劇場のど真ん中にひとり立たされたような。
「よし!やってやる!」
押し返すように思ってみても、
自分の中にちっともストックされていない経験や自信。
その底浅さを実感するばかり。
担当者の決まらない(指名できる美容師を探している)お客様を担当させていただいている日ばかりが続いているのに、
私を指名してくださるお客様がなかなか増えていかない。
いわゆる、
「売れない」毎日がありました。
◇「人のために、働きなさい。」
「先輩の期待する業績が出せなかったら、どうしよう。」
「お客様に満足してもらえなかったら、どうしよう。」
「私は」どうしよう。
成果が出なかった後の評価を気にする、当時の私。
そんなことばかり考えている「私」に担当されているお客様の気持ちは、二の次。
向かうベクトルは、いつも「私」でした。
「業績が出せなかったら、期待をして(機会を)くれた先輩をどんな気持ちにさせる?」
「満足してもらえなかったら、このお客様にこの後どんな2ヶ月を過ごさせてしまう?」
「先輩は?」
「お客様は?」
どうなる?
「人のために働きなさい。」
「それでも、人のために働きなさい。」
「それを重ねた先に、【これが自分のために働くということ】。分かる日が来る。」
ベクトルの向きを変えることができたときに初めて、ちゃんと美容師になれたような気がしました。
◇
19年もの時間が過ぎ、
10歳から担当しているお客様は、パートナーとの未来予想図を聞かせてくださるようになり。
13歳から担当しているお客様は結婚し、ママとなりました。
「初めて担当してもらってから18年間、1度も(伊藤以外の美容師に)浮気していないって凄くないですかw?」
先日の、そんな会話に、美容師としてのしあわせ、美容師冥利をほんわかと感じつつ。
そんな大切なお客様を、これからも美容師難民にしないように。
私もまた磨き続けていかなきゃな。
が、ちょっとチクッと残る気がしました。
◇向かい風との、向かい合い
流行病の災禍よろしく、
「これからは、オンラインの時代。」
店舗型ビジネスの今後はどうした、こうした、どうなる、ああなる。
「一億総フリーランス時代。」
美容師も箱(=美容室)を維持管理するリスクを避けて、うんぬんかんぬん。
シェアサロンで美容師のこれからの働き方をどうする、こうする、どうなる、ああなる。
「体力の、限界。」
同年代アスリートが一線を退くニュースに傾く耳が増え。
送っていたはずの声援が、最近はどこか勝手にアスリートに自分を重ねて。
誰を応援している?
気づかされてしまうことも増えました。
◇
あれがそうだったように、
あの時代がそうだったように。
これから先も、
あれがそうなっていったり、
「今」もまた、そうなっていくのかもしれませんが。
Let it be. いい言葉です。
あるがまんま。
なるようになる。
いや。でも、どうかな。
もうちょっと。
今しばらく。
「なりたいように、する。」
「自分のために働く」その意味がわかるようになるまで。
私は、「人のために働く。」
残らない足跡でも、足音鳴らしながら、続けていきたいと思っています。
19年もの間、多くの方が私の手につけてくださった【手に職】をたいせつに。
美容師20年目、また今日から味わい尽くしていきます。
長くなりましたが(一気に書き上げたのぜ!、
最後まで読んでくださってありがとうございました。
20年目のスタイリスト 伊藤も、よろしくどうぞ。
hair design space i.chi.e
(ヘアデザインスペースイチエ)
代表/ 伊藤 護
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