イチエの施術レシピ
2024.05.19
イチエのブログをご覧いただきありがとうございます。
千葉県浦安市堀江5丁目の美容院、
hair design space i.chi.e
(ヘアデザインスペースイチエ)で
代表を務めています伊藤護
(いとう・まもる)っていいます。
今日は、
「ヘアアイロンとの上手な付き合い方3選」
ということで。
最近では一般のお客様にも広く使われるようになった、ご自宅でのスタイリングアイロン。
その上手な付き合い方をご提案する記事をお届けです。
「あ、私のことだ。」
ふだんからスタイリングにアイロンを使用する機会が多いあなたは、ぜひ最後までチェックお願いいたします。
◇ 正直、、、ちょっとだけ困ってます
「ふだんから巻いていますか?」
「アイロンを使うこと多いですか?」
カウンセリングの際に伺う機会の多い質問の一つです。
特にこれからのシーズン、湿度に干渉を受けて、
「スタイリングがうまくいかない」
必然アイロンを使って、
「なんとかいい感じに。」
めちゃくちゃ気持ちはわかるんですが、これ、なかなか髪にリスクがあるアプローチなんです。
◇ どんなトラブルが起きやすいの?
以前にも紹介していますが、髪の主成分は「タンパク質」と「水分」です。
たとえばフライパンの上で出来上がる、「生卵」→「目玉焼き」
をイメージしていただくもよし。
たとえばぶよぶよ柔らかい「生肉」を焼いて→「歯応えのあるお肉」になる感じ
をイメージしていただくもよし。
髪の毛も、毎日高温のアイロンで挟まれることによって、本来持っている性質を変化させていってしまいます。
(*参考までに調理でのフライパン適正表面温度は160〜180度といわれていて、これはヘアアイロンで設定されるそれとほぼ同じ水準。つまり、ヘアメイクで使用するアイロン=中火程度で熱せられたフライパン。このくらいの認識でも過言ではないということです。)
その変化、代表的なところで3つご紹介します。
(1)脱水&タンパク質の変性が進み、「固くなる」「きしむ」「ひっかかる」手触り感の劣化
特にタンパク質の変性はその後のヘアカラーの発色(明るさUP)はじめ、薬剤施術の際の妨げになるケースがしばしばあります。
例)ブリーチをしているのに脱色がなかなか進まない/赤オレンジの色味がなかなか消えない(カラーチェンジがしにくくなる)/薬剤によるダメージを受けやすくなる
(2)アイロンで挟む、引っ張る、摩擦をかける(物理的ダメージ)ことで「キューティクルの損傷」「切れ毛」が増えるようになる
熱によるダメージより、こっちの物理的なダメージのほうが該当する方が多い印象です。
(3) (1)(2)を経て、カラーの色もち、トリートメントの効果持続が悪くなる
決して大袈裟に書いているわけではなく、過去これだけ一般の女性がご家庭でアイロンを使うようになった時代があっただろうか(いや、ない←反語形
というわけでサロンワークの現場でも、この「ふだんからのアイロン使用」を想定の範囲内においたご提案、薬剤設計をしなければいけなくなっている現状があります。
*ちなみに、
髪内部のタンパク質変性が始まると言われている温度・・・80度以上
といわれているところ、
180度のヘアアイロンで髪内部に伝わる温度・・・110度程度(平均的なカラー毛)
ドライヤー(ブロー)で髪内部に伝わる温度・・・60〜70度
ひとつ、参考までに。
◇ すぐできる!アイロン上手な3つの使い方
「えええぇーそんなこと言われたって、、、!」の、ヘアアイロン。
重々承知しております。
やっぱりアイロンを終えた後の収まりや艶感、カール感、1度覚えるとなかなかやめられるようなものではないですよね。
というわけで今日は、「すぐできる!アイロン上手な3つ+1の使い方」お伝えします。
(0)きちんと乾かす
当たり前と言われればそうなんですが、、、
意外とヘアドライが不十分なままアイロンを差し込んでいるケースというのも少なくありません。
「それは大丈夫だよ〜」と思っているあなたも、もう1回。
髪の内側ちゃんと乾いていますか?
毛の密集している頭頂部付近、襟足付近の根元大丈夫ですか?
「水分を多少含ませた方がいいんだよ〜」なんて説も聞こえてくることがありますが、美容師ではない一般の方がその感覚を使いこなすのはまず難しいです。
基本的にはきちんと乾いた状態の髪に使用する。
これ大切にしてみてください。
(1)アイロン前のケアは濡れている時がおすすめ
逆に濡れている時にしてほしいこと。
それは、「髪内部の熱耐性の強化」と「水分をにがなさい為のオイルケア」
考え方はとてもシンプルです。
外から加わってくる「高温の熱」に対して、タンパク質を変性させないように
→「髪内部の熱耐性の強化」
そして、
外から加わってくる「高温の熱」によって奪われてしまう髪内部の水分を保持できるように
→「水分をにがなさいための(シリコン系)オイルケア」
「アイロンの前にオイルってよくないんじゃないの?」説も(根強くw)聞こえてくることがありますが。
「濡れている時に使用する」アイテムの中で髪に保水を効かせてくれるアイテムとしては(シリコン系)オイルほど優秀なものはありません。
「アイロンの前にオイルってよくないんじゃないの?」説については、
濡れている時に使用するとベタベタしちゃって乾きにくくなるオイル
濡れ髪スタイリング〜なんてコピーで出ているオイル
(一般にノンシリコン系とされているオイル)
これらがアイロンケアとの相性が悪い(熱からの保護を目的にしていない)ので、割と根強く言われていることだったりするんです。
手前味噌承知で改めてご紹介しておきます。
TOKIOアウトカラミオイル
https://ichie-online.square.site/product/tokio-/37?cp=true&sa=true&sbp=false&q=false
リトルサイエンティスト リケラエマリュジョン(ミスト)
https://ichie-online.square.site/product/-200ml/118?cp=true&sa=true&sbp=false&q=false
このあたりのアイテムのご活用も検討いただきつつ。
ぜひ濡れている時のケア、大切にしてみてください。
(2)温度設定の目安
これもよくお尋ねいただく質問のひとつです。
「髪質によって異なる」という大前提はありますが。
基本的にカラーやパーマを楽しむ機会が多い方は、どんなに高くても160度まで。
おすすめは140度までです。
180度は、非推奨。といっておきます。
(強いて言えばカラーやパーマもしない、太くて硬くてという方に限ってOK)
そのくらいの感覚でいてもらえるといいと思います。
温度を上げればあげるほど、つくりやすい。時間短縮になる。
重々承知しておりますが、
くりかえしになりますが、ご予算をかけて楽しんでいただくサロンでの施術、満足度を高めていただくためにも。
髪の体力とよく相談してあげてほしいなと思っています。
(3)握力、引っ張る力で頑張らない
髪の洗い方をお一人おひとり把握して差し上げられないのと同様。
アイロンをしている時に、皆さんが「どのくらいの力で握っているか」
「どのくらいの力で引っ張っているか(テンションをかけているか)」
びっくりするくらい、個人差があります。
美容師同士でさえその感覚を言葉にして共有することが難しい、
「どのくらいの力で握っているか」
あくまで、平均的な感覚ですが。
多くの方が「けっこう、力を入れてやっている」印象があります。
でもちょっと落ち着いて考えると、
ぎゅって握っても、滑らせても、
アイロン表面の温度 = 設定温度
髪内部に届く温度 = 髪の持っている水分量(体力)で決まります。
*ダメージしている方ほど高温で熱が届いています(悪循環の予感、伝わりますか?)
握力は、関係ないといっても言い過ぎではないと思います。
あらためて、握力で勝負しない。
アイロンで挟んだ力を利用して引っ張るのではなく。
指で張ってから、その上をアイロンで滑らせる。
やさしくやさしく、滑すと書いて、「なめす」。
そんな意識で、キレイな髪を作ってあげてください。
◇ まとめ
結構なボリュームになってしまいましたが、まとめです。
(1)ヘアアイロンの熱 = フライパン中火の熱。髪へのダメージリスクを今一度理解しましょう。
(2)アイロンスタイリングが度合いを超えると、サロンでの施術に干渉する場合もあることを理解しましょう。
(3)濡れたまま、半乾きの状態でアイロンをしない
(4)乾かす前のケアは、耐熱性UPと保水性UPがとっても大切
(5)温度設定は140度前後までがおすすめです
(6)ぎゅってしない!滑らせる感覚でアイロンワーク
「もう必要不可欠!」という方も少なくないヘアアイロン。
魅力的なアイテムであることは間違いないのですが、その使い方。
悪循環にハマらないよう上手におつきあいしてみてくださいね。
ではまた。
hair design space i.chi.e
(ヘアデザインスペースイチエ)
代表/伊藤 護
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