イチエの毎日。
2016.05.28
私が美容師を志したときのヘアサロンでは、コーム(くし)とハサミを使いながら「髪を切る」。
その、今では誰もが想像できる、当たり前の美容室の風景を、最初に作り出した美容師がいました。
彼が考え、お客様に提案してみせたジオメトリックなヘアデザインはそれから60年を過ぎてもなお、美容師にとっての「基礎(Basic)」となり、大きな「遺産 ( Legacy )」となって今でも、継承され続けています。
その彼が自身のサロンをオープンさせるより前の、1945年から数えて今年で71年。
遺産というのは、享受する私たちの視点によってポジティブなものにも、ネガティヴなものにも転化していけるものなのかもしれません。
昨年の夏、約20年ぶりに私も足を運びました。
それまでの世界で、どの世代も、どの民族も、どの人種も経験したことのないことが起きた場所。
自分の意志で立ってみて初めて、感じ入ることがありました。
評を申し述べる立場にはありませんが。
勇気が求められる決意を持って語りかけてくれた人間に対して、向き合う「日本人としての」自分を自覚する1日になりました。
「ある」ものでも「享受する」ものでもない、自分たちが「努力をして継承をしていく」こと。
「唯一の国」に住んでいる人間としての、態度。
大好きな人も、大好きなご飯も、大好きな仕事も、大好きなX JAPAN も←。
すべては、命のあるところに、あるってこと。
“Hiroshima and Nagasaki as the start of our own moral awakening.”
感謝の気持ちを、また深く、また新たに。
hair design space i.chi.e(ヘアデザインスペースイチエ)
オーナースタイリスト 伊藤 護
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