イチエ髪質改善の手引き
2024.04.26
イチエのブログをご覧いただきありがとうございます。
千葉県浦安市堀江5丁目の美容院、
hair design space i.chi.e
(ヘアデザインスペースイチエ)で
代表を務めています伊藤護
(いとう・まもる)っていいます。
今日は、2024年ブログでお届けする新企画
「イチエ髪質改善の手引き」
今回が、4回目の投稿。
イチエでご好評いただいている「髪質改善」「ヘアエステ」関連の技術について。
今一度お客様と一緒に理論的なバックグラウンド、情報をシェアしながら。
より皆さまにご自分の髪のコンディションを自分で把握できる、理解できる。
自分の髪のことを、自分のコントロール下で楽しんでいただけるようになれる。
そんなあたりをゴールにしたコンテンツをお届けしていきます。
ボリューム感、けっこうたっぷりな分野なうえ、専門的な用語も少々織り交ぜていく内容になろうかと存じます。
なるべくわかりやすく。
「そうかなるほど」「そういうことなのか」「それでアレがそうなってたんだ」
今まで以上にイチエで提供している技術への納得感を得ていただけるきっかけになればと思っています。
毎月1本、合計12本の記事でお届けしていきますので、ぜひ今年1年間。
お付き合いいただければ幸いです。
◇ 4回目のテーマは「サロントリートメントのあゆみ」
現在美容室イチエでは「(ヘア)エステ」という呼称でほぼ統一していますが。
今回はそれもふくめて一般に、
「サロントリートメント」
と呼ばれているものについて。
そのあゆみをご紹介しつつ、イチエから「ヘアエステとして」ご紹介している技術の「現在地点」知っていただけるようなコンテンツになればと思っています。
◇ 髪が、お肌と違うこと
まず大前提。
経験的にご存知の方も多いと思いますが。
お肌には「ターンオーバー」と言って、自分の再生力で自律的に肌を元のコンディションに戻そうという力が働きます。
(*こんがり日焼けした後のお肌、最終的にはご自身の肌色に戻っていく感じを思い出してもらえるとわかりやすいのでは)
一方、髪にはそのような自律的な作用がなく。
「ダメージを受けた髪が、ダメージを受ける前の状態に戻る」
これは、ありません。
ですので、あくまでもトリートメント(treatment=補修)。
キュア(cure=治療)にはならない。
損傷した部分に補っていく、損傷した部分を埋めていくのイメージ。
◇ 補うとは? 埋めるとは?
それ自体で(自律的に)「生きているわけではない」私たちの髪。
ダメージを受けた髪を、今よりいい状態にしていくためには「補っていく」「埋めていく」他ないわけなのですが。
では、どうやって?のお話。
方法は大きく分けて2つ。
(1)外側へのケア
ダメージを受けてざらざらガサガサ、、、荒れてしまったキューティクルに皮膜(コーティング)をかけてさらさらツルツルっとした滑らかな状態にしていくイメージ。さながらボディクリームといった感じでしょうか。
一般的なインバス(おふろで使う)トリートメント、アウトバス(洗い流さない)トリートメントの中でもオイルタイプのものはこの部類と考えてもらっていいと思います。
またサロントリートメントの中でも、キューティクルと髪内部にあるタンパク質とを接着してくれるような働きをしてくれる成分(CMC)を中心に、キューティクルそのものに効果を発揮してくれるタイプのものがあります。
(2)内側へのケア
髪の内部は、ほぼ大半(80〜85%)がタンパク質。
*ついで水分(10%強)・脂質・メラニンと言われています。
つまり、内側のケア ≒ タンパク質補充。
外側へのケアをボディクリームに例えるなら、内側へのケアはプロテイン?!
髪のコンディションを高めていく上で、より根本的なアプローチと思っていただけるといいかもしれません。
代表的なところで言うと「ケラチン」。
コラーゲンも商品化されているものがあるので聞いたことがあるかもしれませんが、髪についてはほぼケラチン(といっても過言ではないかと思います)。
内側のケア ≒ タンパク質補充 ≒ ケラチン補充
こんなイメージです。
◇ トリートメントの「効果実感」
とはいえ、いろいろなうんちくがあることは存じ上げておりますとはいえ。
お客さまからすると、トリートメントって結局、
「手触り、いい感じになったかな〜」
これがたいせつ。
語弊を恐れずにいうと、先ほどの
(1)外側へのケア(2)内側へのケア
(1)はやったけど、(2)はやっていない
(1)もやったし、(2)もやった
それぞれでどう手触りに違いがあるのか。
一般のお客様が実感するのはなかなか難しいところです。
そこに乗じて、、、というと言葉がよくありませんが、
敢えて申し上げれば、
そこに乗じて。
(1)外側へのケアを以て
「サロントリートメント」
という位置付けをしている商品というのも決して少なくはありません。(実際にトリートメントではありますので)
ただ、おふろ場で使用するインバス(おふろで使う)トリートメントを(2〜3ステップに分けるなどの細分化をしていたとしても)「サロントリートメント」として受けたお客様は・・・
あれ?しばらく(2〜3週間も)経つと、やる前とほぼ同じコンディション・・・
「すぐ取れちゃった感じするんですけど・・・?」
「トリートメントしても、そんなに変わらなくない?」
当然の結果になってしまうというわけです。
◇ サロントリートメントのあゆみ=「内部補充」の歴史
現在美容室イチエで
「(ヘア)エステ」という呼称で紹介している、サロントリートメント。
あえて「(ヘア)エステ」という表現にしたのには、
(2)内部補充の部分にこれまでと違うアプローチが採れるようになった、
そしてその結果として、
「(効果)持続の良さ」
「続けていくほどにいい感じになっていく(期間が長く感じられるようになる)」
お客様にも実感いただけるようになってきたから、という背景があります。
もちろんイチエからご紹介させていただいてきたトリートメントも、
(1)外側へのケア だけにとどまっていた時代、あります。
(特に創業から2〜3年くらい、2010年代前半までは)
(*↑2012年秋に新登場w)
そこに、あんなアイテムが登場してきてくれたり、
こんなアイテムが登場してきてくれたり、
いよいよこんなアイテムまで登場してきてくれたり。
より効果実感の高い、「(2)内側へのケア」
これが可能になり、今に至っているというストーリー。
サロントリートメントのあゆみ=「内部補充」の歴史
より効果実感が高い&より持続が良いを感じていただけるように、を追い求めつつの、今日です。
でもさ、でもさ、どうやって髪の内部にトリートメント成分を入れていくの?
本当のほんとに入っていっているものなの??
そのあたりについては次回以降の記事で解説してみたいと思います。
ぜひご期待ください。
◇ まとめ
いよいよ今回からかなりのボリュームになってしまいましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。
今回は、
☑️ トリートメントと一口にいっても、外側へのケアと内側へのケアがある
☑️ トリートメントの「持続の良さ」は内側へのケアの充足度による部分が大きいということ
☑️ 「ケラチン」というタンパク質、たいせつ。
このあたりをご理解いただけたら嬉しいです。
分かりにくかったところはぜひイチエに来てくれたときに、あるいはLINEでもOKです。
教えてもらえるとまた次回以降のコンテンツ作りの参考にさせていただきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
ではまた次回の記事で。
hair design space i.chi.e
(ヘアデザインスペースイチエ)
代表/伊藤 護
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ここ2回の記事で紹介している、pH(ピーエイチ)。
おさらいすると真ん中の7を中性にとって、それより低い値(0〜7未満)が酸性、高い値(7を超えて14まで)がアルカリ性なんつって表される。
またの名を「水素イオン濃度」とよばれるもの。
1番最初の記事では、「髪のpH=人間の体温(平熱)みたいなもの」
「髪のこと、勉強してみませんか」〜イチエ髪質改善の手引き(1)
そんな表現をしつつ、私たちの髪はpH=5.0〜5.5(弱酸性)で安定した状態を維持できるというお話をさせてもらいました。
また前回の記事では、
髪のpHを上げた時に起きること〜イチエ髪質改善の手引き(2)
膨潤作用という言葉と併せて、pHが高くなると薬剤の浸透がしやすくなるというお話を紹介しました。
それを受けて今回の3回目。
今回の記事では、
「じゃあ、そのpH、中性よりも下。5とか4とか3とか・・・になると、髪はどうなるの??」
そんなお話をお届けしていきます。
◇ (やっぱり読み方難しいけどw)知っておきたい髪の「収斂」
今回も、結論から先にいきましょう。
pHが(中性を示す)7よりも、下。
5とか4とか3…とか(酸性の領域)になると、
髪は 収斂(しゅうれん)という反応を示します。
はて、、、??
収斂・・・とは???
これ、膨潤。
(水にひたしっぱなしのタオルです。)
それに対して、
これ、収斂。
(水にひたしたタオルをしぼって・・・のイメージ。伝わるでしょうか。)
要は、「ちぢむ」。
膨潤が「水分を生成しながら髪内部から膨らんでいく。」
だったのに対して、
収斂っていうのは、
膨潤する前の、元の状態に戻ろうとする作用のことをいいます。
つまりpHを 7から下、6とか5とか…に下げていくと、髪は収斂反応を経て、その性質(形・色)を変えにくい(膨潤反応を経て効かせた薬剤効果を定着させやすい)状態に入っていくということになります。
◇ 髪とpH(ピーエイチ)
なので、言い方を変えると、
私たちはみなさまの髪を染めているようで、
実は
pHを高めて脱色したり、色を入れたり。
20〜30分しっかり反応したのを見届けて、
pHを下げてお仕上げをしていますし。
私たちはみなさまにロッドを巻いているようで、
実は
pHを高めて髪が曲がりやすい状態になってから、
しっかり反応しているのを見届けて、
pHを下げてパーマスタイルを定着させていたりするわけで。
この、pH。
カタカナで書くと、ピーエイチ。
あなたの髪の色、形、性質を変えて差しあげるうえで無視できない概念になっているのです。
◇
というわけで。
次回から、いよいよ本題です。
3回の記事に分けてご紹介したこの pH という概念を共通言語にさせてもらって。
「髪質改善トリートメントって、これまでのトリートメントと何が違うの?」
「最近のストレートパーマって、これまでと何が変わったの?」
この辺りのトピックについて引き続き「わかりやすく。」
大切にして書き進めていきます。
ぜひまた来月の記事も楽しみにしていてください。